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　延世大の鄭暢泳（チョン・チャンヨン）総長の妻、チェ・ユンヒ氏（62）が、学生の父母らから同大歯学部への編入で便宜を図るよう依頼され、2億ウォン（約2522万円）を受け取っていた疑惑が浮上し、検察が捜査に乗り出した。ソウル西部地検は29日、事実確認のため資料の収集に着手した、と発表した。

　一方、教育人的資源部も来月5日から、同大への編入学に関する監査を行う、と通告した。同大学財団は30日に理事会を開き、編入学をめぐる請託疑惑に関して協議する。だが、鄭総長側は「事業に失敗した息子に援助するためお金を借りたもので、後で返した」と釈明し、編入学をめぐる金のやり取りはなかった、と主張した。

◆編入学の口利きを見返りに金品を授受？

　ハンギョレ新聞はこの日、同大学生の親キム某氏（50）が昨年11月、鄭総長の妻チェ・ユンヒ氏に対し、「娘を同大歯学部に編入させてほしい」と依頼し、2億ウォンを渡した、と報じた。キム氏はチェ夫人と親しい女性を通じてチェ夫人を紹介され、この女性の自宅で4000万ウォン（約504万円）が入った通帳5冊と暗証番号を書いたメモ、印鑑などをチェ夫人に直接渡したとされている。

　ところが、キム氏の娘は今年1月、同大への編入学試験の筆記試験で不合格になった。その後キム氏はチェ夫人に対し、「お金を返してくれなかったら鄭総長に直接会いに行く」と詰め寄り、これを受け鄭総長は1月末ごろ、秘書名義でお金をキム氏の口座に送金したという。

◆鄭総長側の釈明

　こうした疑惑について鄭総長はこの日、同大のホームページに掲載した「延世の家族の皆さまへ」というタイトルの声明文で、「妻が事業で不渡りを出した息子を助けるため、知人からお金を借りたが、（その金が）編入学を希望する学生の親からもらったお金であることを知って返還した」と釈明し、その上で「すべてわたしの不徳の致すところであり、教職員、学生やそのご両親、そしてOBの方々にご迷惑をおかけし、大学の名誉に傷をつけたことに対し謝罪する」と述べた。一方、同大の朴永烈（パク・ヨンニョル）対外協力部長（経営学部教授）は「大学は制度的に、誰もが入学に際して影響を与えることはできないため、現金を渡して編入学させることは不可能だ」とコメントした。

　また、請託疑惑の渦中にあるチェ夫人とキム氏は「報道されている内容は事実に反しており、当該メディアに対し法的な対応をしていく」と話し、請託疑惑を否定した。

◆検察の捜査の行方

　西部地検関係者は、「請託疑惑に関する資料を収集している」と表明した。もし、請託の見返りとしてお金を受け取っていたことが明らかになった場合、チェ夫人には業務上横領容疑が適用される。教育部が来月5日から同大の編入学試験をめぐる監査を行うのも、請託疑惑に関したものだという。また、一部の教授らも戦々恐々の状態だという。同大のチェ・ジョンギル教授評議会議長は「事実関係を確認しなくてはならないが、請託の見返りであったことがはっきりした場合、総長は責任を取るべきだ」と述べた。

パク・シヨン記者

延世大総長が辞任…夫人の金品授受疑惑で